2011年08月25日

富山県庁防災・危機管理課との懇談

【報告】富山県の「防災・危機管理課」担当者との懇談会              

日時:2011年8月11日(木) 11:08〜13:45
場所:北日本スクウェア内 企業局会議室(9F)
参加者:13名(富山県知事政策局防災・危機管理課4名、富山県内の脱原発市民団体代表9名)

◆ 経過説明
 5月11日に「原子力政策の見直しを求める富山行動実行委員会」は県内の脱原発10団体の賛同を得て、県知事宛に要望書(参照:資料1)を提出。知事は県内不在とのことで「防災・危機管理課」が応対した。5月25日まで書面にての回答を求めたが、提出時(11日)には25日の回答は難しいとの即答があった。
 6月県議会を目前にしての回答は難しいと判断して、同委員会は「回答できない、との文章回答だけでも25日に欲しい」と電話で伝えたが、こちらの要望は伝わらなかった。
 その後、7月に入って電話で要望書の回答を求めたが、「マスコミを入れないかたちでなら応じられる」という返事が担当者からあった。県側と脱原発市民団体との話し合いの形に関する妥協点をさぐったが、最終的にマスコミ抜きの自由な懇談会という位置づけで話し合いが実現した。
 しかしながら、私たちは脱原発を要望する県民の代表として要望書(5月11日付)をマスコミに公開して提出したのだから、マスコミを入れた形で県民に対する正式回答をして欲しいという要望をもって今回の懇談会に臨んだ。

◆ 出席者の自己紹介の後、市民側からの提案および質問が行われた。以下の記述は質問項目(参照:資料2)に添って、懇談会の概容を伝えるものである。
<放射能飛散対策・汚染食品対策について>
課長:10月から氷見市(高岡厚生センター氷見支所)と入善町(新川土木センター入善土木事務所)にモニタリングポストを増設。環境科学センターにもう1台分析装置を入れる予定。食品等の分析は県が必要だと判断したものを実施する。個人の持ち込みはできない。担当者の増員は状況をみながら体制を考えていきたい。米は8月20日過ぎから(てんたかく:早稲)、その後、こしひかりの検査になる。民間の調査機関に委託も考えている。微量でも隠すことなく、検査結果を公表。ウェブサイト(富山県のホームページ)にも掲載して、トップ画面から調査結果の画面に行くようする。稲ワラも暫定基準以下であったが検査をした。

Y:富山県では米の検査は当たり前、他県に売らなければいけないのだから。食中毒検査と同じように、それぞれの生鮮食料品の検査はできないのか。他県から入ってきているものは、どこで、誰が検査をしているのかわからないので。

F:この間、汚染の問題が広がってきている。市民の関心も高まってきている。とりわけ、若いお母さんの関心が高い。後追いではなく、どうすればよいのか対策を立てて欲しい。例えば、市民・県民の意見を聞く場(懇話会・審議会等)を作って、予算に反映するようにして欲しい。

Y:(放射能に特化して)行政推進意見交換会にもっと市民団体を入れるとかの対策はとれないのか。

N:北電本社前でアピール行動をしているが、「県に直接電話して聞いても、他県を参考にしているというような答えしかない」と話してくれた人がいる。今、食べるものが安全なものか知りたいと切実なのに。

M:射水にあるモニタリングポストは地上15mのところにあると聞いている。地上1メートルか、あるいは50センチで測定してほしい。県内の放射能測定に市民が参加協力する体制をつくれないか。

地域防災班長:文部科学省からの指示で、可動式のサーベーメーターを使って、15市町村(役場前等)で1mの高さで測定し、結果を公表することになっている。

T:野田市は定点を決めて、定期的に発表しているので富山県もそのような取り組みをしてほしい。

課長:他県の取組みについては把握している。

F:スピーディをキチンと活用して欲しい。富山版のスピーディを作って欲しい。小矢部市では市会議員が購入するよう、市に働きかけている。各市町村と連携して欲しい。

課長:スピーディは国のシステムであり、県として国に働きかけている。

Y:原発は新しい問題。土石流や洪水情報は地区長のところにも入るようになっている。放射能飛散情報を出して欲しい。光化学スモッグ情報や花粉情報のように。

K:県はどういう放射能が出ているのか調査しているのか。

課長:放射線量のみの測定で放射能の種類に関してはないと思う。地上15mの高さで、現在の測定値は、毎時0.004から0.05マイクロシーベルトぐらい。(後で、地上1mの高さでも測定していると報告あり)

N:日本列島が汚染されているので富山でも例外ではない。

M:これからは放射能測定器が一家に1台が必要だと思う。コンポストの補助をしたように補助ができないか。家の中でもホットスポットがあるので、子どもを持っている人は心配で、外で遊ばせることが出来ない。

課長:毎日、1mのところで測っているし、あと2箇所増設する。

M:みんな、自分が住んでいるところがどうなのかが心配。

Y:子どもがいるところに置いて測定してほしい。学校に測定器を配置すべき。

F:チェルノブイリではあのときもっとこうしておけば良かった、と後悔している人が多い。情報が欲しいというのが率直な気持ちで、くらしの安全につながる。

Y:防災訓練と一緒に配置すればよい。これまで何回もAEDの講習を受けたがそれと同じように、線量計の測定の仕方の講習も必要、PTAにも協力してもらうとか、民間協力を考えるべき。

<汚染がれき対策>
M:アエラ最新号に、がれき処理に手を上げた自治体の一覧が掲載されている(放射能汚染報道前に)が、汚染がれき処理は慎重であるべきだ。がれきの運搬、保管にも問題が出てくる。焼却することについてはダイオキシン問題と同じであり、汚染物にはドラム缶で保管しなければいけないものもあるとか・・。この情報を教えてくれたのは若い女性の方だった。

Y:危ないものは危ない。(国は)汚染を許容する数値を上げていくし、闇夜に紛れて処理しないように。

F:後追いではなく、少なくとも汚染がれきの測定をして欲しい。原則、福島のものは福島でと思うが(福島で)できないものはどうするのか、事前に対策を立て、独自で考えて欲しい。

<原子力災害対策の見直しについて>
M:原発の安全神話と経済神話が崩れた今、私たちは志賀原発の廃炉を要望し続けていることに変わりはない。廃炉にするとしても廃炉までに長い時間がかかるので、原子力防災対策はキチンとして欲しい。原子力防災の見直しに際しては、考えられる最悪の状況(空からの落下物など)を想定して対策を立てて欲しい。

課長:一昨日は、県防災会議の地震対策部会を開いた。原子力災害だけを対象とする原子力災害対策部会もある。EPZ(原子力施設に関して防災対策を重点的に充実すべき地域の範囲)の見直しについては国の原子力安全委員会の会議の結果を見て判断する。全国知事会に原子力災害対策部会があり、その部会で原子力防災措置法を見直すように富山県も他の県と一緒になって国に要望している。原子力安全委員会と連携してEPZの見直しをすることになるだろう。福島原発事故を踏まえたうえで法律を決めるのは、国と国会議員だ。

T:県独自で広げることは可能か。

課長:県独自でやれることは考えたいが、防災の基本はあくまで国。

Y:県は大々的に防災訓練をしている。原発についても北電の責任者も入れておくとか。訓練していなかったら、どこへ逃げてよいかわからない。

T:ヨウ素剤の配布は?

Y:今日の国会答弁で、誰かが買い占めていると原発相が答弁していた。

K:富山県が、県民を守るための対策(ネット)を作って欲しい。富山は雪国であり、これから雪の時期になるが、放射能は雪に付着する。

F:原子力災害対策部会の傍聴をしたい。石川県は傍聴できた。

課長:富山県防災会議(会長は知事)の委員が原子力災害対策部会の委員になる。法令で決められており、6月に選定済み。専門家は5人で、全国的にも評価の高い先生に依頼済。

<自然エネルギー導入促進について>
T:太陽光発電の施設を休耕田に設置することは問題がある。どんな微生物が出てくるかもしれないので、利用しない方がよい。さらにこれからは放射能汚染の問題で米不足に対処するために、休耕田を水田に戻して稲作を再開しなければならなくなるかもしれないので、休耕田の扱いには慎重にすべき。

Y:富山県は電力自給率が16%で全国第3位。もっとアピールすべき。

F:用水の使用については用水組合が譲ってくれない。実験的に農業用水一つひとつに小水力発電をすることを富山県が発信したらどうか。

T:天然ガスの効率の良い発電機が出てきている。

<北陸電力と志賀原発について>
F:少なくとも石川県との間でなされているような安全協定を北電との間で結んでほしい。安全協定について、各市議会や市長にアンケート調査を実施したが、積極的な発言があった。住民の声を大事にして欲しい。

Y:県は北電の後見人ではなく、監督する立場を明確にして欲しい。かつて志賀原発はメルトダウン寸前までの事故を起こしたにも関わらず、富山県ではなく、自民党議員団に北電社長が説明に来た。そのことに抗議すると、(鹿熊議員が)富山県のことは自民党が決めると発言。

課長:県は北電から緊急情報をもらうことになっている。

F:志賀原発は富山も地元だ。富山県が北電の大株主という立場なので、しっかりと監督することが大事。志賀原発で何か起きてから情報を受けるといのでは困る。

<その他>
課長:富山県に避難してきているのは500人ちょっとで福島が8割。転入学支援は80人。厚生部で義援金を募っていて(8月末まで)、生活資金として、1世帯当たり10万円の支援をする。

F:サテライト避難を進めて欲しい。往復の交通費を保証するしくみを作り、富山を第二のふるさとにして欲しい。

課長:県と市町村と連携し、確実に個人個人に情報提供しており、丁寧な対応をしてもらっていると避難した方々から言われている。

T:廃校を利用した集団疎開等子どもに特化した形の取り組みをして欲しい。

<マスコミ報道について>
課長:色々な団体の意見は聞きたいと思っているが、マスコミは正確な報道をしてくれない。我々の意図している通りの報道をしてくれない。

◆ 懇談会の後、市民側の追加要望も含めて、改めて「要望書」を提出することにしたが、マスコミ報道について、県は頑なに拒否。刻々と変化する社会状況を考慮しながら、県との交渉は根気強く調整・継続する必要がある。



<資料1>富山県知事への申し入れ

2011年5月11日
富山県知事  石井 隆一 様


                    原子力政策の見直しを求める富山行動実行委員会
世話人 宮崎さゆり

〔賛同団体〕
I女性会議富山県本部
命のネットワーク・呉西
いらんちゃ原発・富山 
真宗大谷派反原発の会・富山
高岡くらしの会
富山県平和運動センター
日本消費者連盟・富山グループ
反原発市民の会・富山
平和をつくる富山県連絡会
まわれ水車の会    (50音順)

要 望 書

 富山県行政でのご活躍、さらに最近の福島被災地訪問の報を耳にして、私たちは日頃から国民・県民の福祉のためにご尽力くださっていることを喜び、感謝いたします。
 さて、今回提出する「要望書」は、以下の4点の立場にある貴方に私たちの声を早急に届けることが必要と考えるに至り、「原子力政策の見直しを求める富山行動実行委員会」が意見をまとめ、上記の団体の賛同を得ました。
 お読みいただき5月25日まで書面にて回答いただければ幸甚です。
1. 富山県民の代表として国政に意見を届けることのできる知事職にあるという立場
2. 富山県が北陸電力(株)の大株主であるという立場
3. 富山県民の生命・暮らしを守るという立場
4. 全国知事会に参加できるという立場

要 望(その1)
 3月11日の大地震・津波の天災から2ヵ月経ちましたが、福島第一原子力発電所における大惨事は未だ収束の見通しも無く、最悪の場合には水蒸気爆発さえも懸念される状態にあります。今後どれだけの量の放射能が世界中に飛散するかわからない状況において、私たち富山県民も例外なく、見えない放射能の不安から逃れることのできない現実に直面しております。
 さらに、3月11日以降、大きな余震が多発しており、再び日本のどこかで大規模地震が起こることも想定されております。地震国と言われている日本が、予測不可能な地震の活動期に突入していることは周知の事実であります。
 今後「想定外」などという言い訳は通用せず、地震によって原子力発電所の大事故を再び引き起こしてはなりません。この祈りにも似た強い決意は、県民の生命と健康と財産を守る責任がある知事職に就いておられる貴方にも共有していただけるものと信じております。
 地震大国の日本に原子力発電所は危険すぎます。中部電力の浜岡原子力発電所は総理大臣の決断によって停止されることになりましたが、私たちは他の日本の全ての原子力発電所も停止させ、廃炉に向けての安全対策が取られるべきと考えます。
 自然災害のみならず、近隣諸国への脅威となる核兵器級純粋プルトニウムの素である原子炉級プルトニウムを産出する商用原子炉は、国際社会的にも百害あって一利なしの代物であります。
 それ故に、富山県民の生命と健康と財産を守るため、日本の国土と経済を守るため、今、最も必要な危機管理として、富山県知事の立場から菅総理大臣に対して、即刻、日本の全ての原子力発電所の停止を命ぜられるよう求めて下さい。日本の沿岸地域に点在する全ての原子力発電所が停止・廃炉になっても、火力発電・水力発電・自家発電という発電設備によって、需要を上回る充分な電力供給量が用意されています。時間はかかりますが安全に廃炉となったあかつきには、ロシアンルーレットのような恐怖と不安から解放された人々の喜びが国内に満ちあふれることでしょう。
 そして又、今まだ福島原子力発電所事故の多くの情報が国民に隠されております。速やかに全ての情報を国民に伝えるよう、菅政権に対して求めて下さい。

要 望(その2)
 富山県に本社がある北陸電力(株)は、石川県志賀町に2基の原子炉をもっています。現在、その2基の原子炉が停止中であることは、近隣県下の住民および北陸電力の役員の方々に、少なからずの安堵をもたらしているものと思います。しかしながら、原子炉はたとえ停止していても、福島第一原子力発電所4号炉のように、何かあれば巨大なエネルギーに復活してコントロールができなくなります。私たちは自らの生命と健康と財産を一企業「北陸電力」に預けてはいません。
 富山県はその危ない原子炉2基を擁する北陸電力の大株主です。もし志賀原子力発電所で何かがあれば、筆頭株主としての社会的責任は払拭することはできないでしょう。現在進行中の福島での大惨事、さらにスリーマイル、チェルノブイリを例にあげるまでもなく、ひとたび大事故が起こればその損害は甚大です。それ故に、筆頭株主の立場から北陸電力に原子力発電事業からの撤退、志賀の原子炉の永久停止と廃炉、再生可能エネルギー(太陽光、風力、水力、波力、地熱、バイオマス等)を基にした電力供給体制への転換を要求して下さい。

要 望(その3)
 今後の原子力災害に対する、きちんとした原子力防災対策を県民に提示し、「避難計画」の立案と「避難訓練」の実施を早急にしていただきたい。また、収束の見通しがたたない放射能の飛散が続いている現状から、放射性ヨウ素の取り込みを防ぎ甲状腺障害から身を守るために富山県民に対しヨウ素剤の配布をして下さい。その際にはヨウ素剤服用にあたっての副作用についても注意喚起を広報していただきたい。
 また、放射性物質の飛散予報情報を花粉情報のように毎日出して知らせて下さい。さらに、土地、水、海、野菜、魚などに関する放射能情報も速やかに県民に知らせる体制を整えていただきたい。そのためにも、放射能を感知するモニタリングポストの増設、およびモニタリングに市民が参加し、官民協働で実施することを希望します。

要 望(その4)
 現在、国は福島県の子どもに「年に20ミリシーベルト」の被爆を強要する非人道的な決断をおこないました。「年に20ミリシーベルト」とは、屋外で3.8マイクロシーベルト/時に相当すると政府は示していますが、これは労働基準法で18歳未満の作業を禁止している「放射線管理区域」(0.6マイクロシーベルト/時以上)の約6倍に相当する線量を子どもに強要するものです。私たちはこの決定に怒りを禁じえません。
 先の世界大戦時には、大勢の子どもたちが各地に疎開してその生命を養い、次の世代に生命を引き継ぐことができました。放射線への感受性が高い子どもたちが、5年後、10年後と年を重ねるにつれて、どのような病気に見舞われるかは、チェルノブイリ大事故から25年たった今、予測可能になっています。故に、今回の収束の見通しのない原子力災害は、子どもたちの生命を守るために、戦中の疎開に匹敵する状況を呈していると言っても過言でないと考えます。
 国の決定はどうであれ、地方自治の精神にのっとり、全国知事会で福島の子どもたちの疎開を検討して、それぞれの県で福島の子どもたちの疎開を引き受けていただくよう、働きかけて下さい。

以上
【問合せ・連絡先】
富山市五福5369−3 宮崎さゆり
TEL&FAX 076-442-5215                               


<資料2>質問項目

富山県の防災・危機管理課担当者との懇談会                2011年8月11日

「原子力政策の見直しを求める富山行動実行委員会」

◆ 市民側からの提案および質問項目

放射能と向き合って生きるための対策
1.福島第一原発事故による放射能飛散対策(低線量被曝を抑える)
a.放射能感知のモニタリングポスト増設と民間協力を受け入れる
b.放射性物質の飛散予報情報を出す
c.放射能測定器購入補助金制度をつくる

2.福島第一原発事故による放射能汚染食品対策(内部被曝を抑える)
a.放射能汚染を測定する測定器、施設および人員の充実
b.食品の放射能汚染状況を県民に知らせるためのシステムの確立
c.県民から持ち込まれた食品の放射能汚染測定システムの確立

3.福島第一原発事故による汚染がれき対策(放射性物質の二次拡散を防ぐ)
a.東日本大地震の「がれき」処理について安全性を重視する
b.「がれき」の受け入れを見直し、焼却処分や粉砕、埋め立てはしない

4.富山県の原子力災害対策(2008年12月策定)の見直しについて
a.市民側の基本的な考え方
b.EPZの見直し要求
c.予測される影響の見直し要求
d.その他

脱原発・原発廃炉に向けての対策
1.自然エネルギー導入促進について
a.休耕田と太陽光発電
b.県が公益事業として実施する発電事業の促進(例:小水力発電、温泉熱発電など)
c.その他

2.北陸電力と志賀原発について
a.富山県は「安全協定」を北陸電力と結んでほしい
b.志賀原発についての説明会を富山で開催するよう要求してほしい
c.その他

その他の対策
1.福島から避難して富山に住んでいる方々への対応と仕組みつくりについて

2.その他
posted by ピースウォーク at 16:31 | TrackBack(0) | アクション | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。